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桃売り [ただなんとなく(雑文ほかごった煮)]

道端においしそうな桃が並んでいました。
そばにはダンボールの紙切れに

「モモ 7個 300円」

と書いてありました。

昨晩、ちょうど桃がたべたいな~なんて思っていたので、ほんとタイムリーでした。

・・・でも待てよ。
ちょっと安くねか?
なんか怪しい・・・

立ち止まって考えていたら、桃売りのオジさんがつかつかと寄ってきて、桃をナイフで切って一切れ渡された。
食べてみたら、ウン、おいしい!
疑って険しかった僕の表情が一瞬にしてまろやかな笑顔になってしまったらしく、オジさん間髪いれずに、

「7個300円っていうのは、こっちなんだよね~。ここに並んでいるのは7個1,000円。」

こっちという方をみてみると、発育不良で打ち身あざがいっぱいの、なんかそこいらから拾ってきたんじゃないの?っていうような正直売り物にはならないものばかり。

やられた~!(笑)

あまりにもわかりやすい騙し方。僕の中では予定調和のストーリーに、思わず笑い声まで出ちゃいました。

「縦列、横列、どの列の7個でもいいよ!」

桃売りオジさんの売り込みはなおも続きます。
桃が食べたかった僕には、断る理由はありませんでした。

「オジさん、いちばんおいしいやつ頼むよ!」
「ハイよ。桃はな、冷蔵庫に入れちゃダメ。部屋にふつうに置いといて、食べる一時間前に冷蔵庫でちょっと冷やして・・・ハイ、ありがとね~」

家に帰ってよく見てみたら、形もそんなに大きくなくて、熟すまでもうちとかかりそうなものばかりでした。
でも、さっき待ちきれずに1個食べちゃった。
オジさんが食べさせてくれた見本ほど甘くはなかったけど、なんだかちょっと幸せな味♪


桃太郎神社.jpg




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